積み重ね
あの時
あの日々にいた自分
苦しくて光も見えないような時
人に縋り付くように
携帯を握りしめて
言葉を書き連ねては
大切な人や友達に
顔の見えない人々の集まりの中にも
絶え間なく吐き出した
人形を抱きしめて
夜が少しでも長く続いてほしい
そう願っては
ラジカセのスピーカーに耳をあてて
笑いながら泣いて
朝なんて来なければいい
そう思っていた
素直に「助けて」と
誰にも どこにも 言えなかった
そんな自分は
カッコ悪い気がしたから
そんな自分は
誰も見たいと思わないから
家なんて安心出来る場所でもなく
助けてもらえる場所でもなく
ただ 苦しいだけだった
あの時
どこに
誰に
助けを求めてたら
光を遮る悪魔と出会わずに済んだのか
そんな事 いま考えてみても
それは過去のこと
今は幸せ
しかしこれだけが至上の幸せではなく
色んな形の
色んな大きさの幸せを
積み重ねていく日々 その人生が
幸せだと思えるのだろう
それはきっと最期の時
それまでに
たくさんの幸せを
身体で感じて 生きて
一瞬見えた光を
逃さず捕まえて
大切に抱きしめて
すり抜けていくことの寂しさも
目を逸らさずに
そして
その心が
君の瞳からハイライトが消えないように
私は君の幸せを願って
君が響かせる泣き声も
震える身体も
抱きしめて 夜をこえて
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