この俺が青春ライフを送っていいのか!?

きなこ餅

第1話 訪れた朝

何処だここ...。周りが暗くて見えない...。どこからか声が聞こえる。俺を呼んでるのか...?。


結衣「......て、...きて、起きてお兄ちゃん!」


妹の声で目が覚める。そうか、さっきの暗闇は夢だったのか。それにしてもただの暗闇の空間の夢だなんて、変な夢も見るものだな。


鋭「ん...。おはよう結衣...」


結衣「やけにうなされてたけど、変な夢でも見たの?」


鋭「いや...。特に変な夢は見てないと思う。」


結衣「そう?。あ、朝ご飯できてるから早くしたに降りてきてね!」


結衣はそう言うと俺の部屋から出ていき、鼻歌交じりに階段を降りていった。俺は自分の部屋の時計で時間を確認していそいそと制服に着替えるのだった。


俺は桜ヶ丘高校2年B組の如月鋭(きさらぎえい)。どこにでも居るようなごく普通の高校生...という訳ではなく、幼い頃から少し周りから浮いてた「変わった子」だったのだ。

たとえば小学生の頃にはみんながサッカーやゲームをしている時、1人だけぽつんと椅子に座り、よだかの星を読んでいた。他にも思い返せば色々変わってた部分もある。小4の頃には...


結衣「お兄ちゃんなにしてるの!学校遅れるよ!」


おっといけないいけない、すっかり自分語りに夢中になっちまったぜ。結衣に適当に返事をして階段を降りた。


ついでに妹の紹介もしておこう。如月結衣(きさらぎゆい)。同じ桜ヶ丘高校の1年だ。性格はとても明るく誰とでも仲良くするとてもいい子だ。我が妹としては少し出来すぎてる感じはするけどな。おまけに顔もそこそこ良く、スタイルもいい。正直こんな奴が同級生にいたら俺も惚れているだろう。少しバカなのが欠点だがな...。


ん...?この匂い...今日はフレンチトーストか!?。好物であるフレンチトーストの香りに引かれるようにリビングにあるテーブルに俺は向かった。


鋭「やっぱりフレンチトーストうめぇ...」


いや冗談抜きでうまいよ?1万円払ってでも食いたいレベル。


結衣「お兄ちゃん昔からフレンチトースト好きだよね~。あ、いっけない!もうこんな時間だ!」


結衣は腕時計で時間を確認した途端大慌てでフレンチトーストを口に突っ込んだ。おいおい、こんなに美味しいフレンチトーストをそんな一瞬で食うなんてなんてことしてんだ...。


結衣「お兄ちゃん!急がないと間に合わないよ!?」


鋭「まて、俺にはフレンチトーストをゆっくりと味わうという行事があってだな...」


結衣「そんな行事ないから!ほら!早く行くよ!」


痛い痛い首根っこ掴んで引っ張るな、しかも俺まだカバンとってないから!カバンちゃん取ってないから!


鋭「結衣は先に出てろ、すぐ行くから」


そう言って俺はゆっくり味わう予定だったフレンチトーストを口に突っ込み、ソファーに転がったカバンをとって玄関に向かうのだった。

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