異世界軍師!~おのれの口先と策略だけで生き延びろ!~
夜川 太郎
転生編
第1戦 現実はどっちだ!
「やばいやばい! これは絶対に遅刻するやつ!」
俺は猛烈に急いで走っている。
何せ、学校で行われる試験の時間までもうあと20分を切ってしまっている。
これを逃せば、親からのお怒りだけでなく、そもそも学校の先生にまで色々と言われてしまう羽目になる。それは避けたいところだ。
「そうだ! ここに近道があったはず!」
俺はそのまま、筋を左に入って行く。
こっちは細い道ではあるが確か、信号が一つも無かった。とすれば、時間のロスも少ない。
「あー、もう時間ないって!」
しっかりと時間を確認したその瞬間だった。
うっかり俺は走りながら目を時計に向けていた。
(えーっと、こっちの道なら5分は短縮できたはずだから。ん?)
黒いスポーツカーにも似た様な車が、まっすぐ俺めがけて走って来る。
それも、スピードはますます上がっていくじゃあないか。
避けねば!
と考えても、道幅は狭い。俺はガシャンと止めてあった赤い自転車にぶつかって倒れ込んでしまう。
「ちょちょ! 待ってたんま!」
場がスローモーションになる。
車のフロントガラスの奥には、車には似つかわない老人の姿。
それも、こちらを見てにやりとしている。
(な、なんという確信犯! ナンバープレートまでは見えなかったが、その顔は死んでも忘れねえからなあああああああああ!)
左の横っ腹が、先端に触れた。
その瞬間。
俺は電源が落ちたように、目の前が真っ暗になった。
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