回復魔法を唱えて
カゲトモ
1ページ
「ふぅ」
この時間に入る風呂の贅沢さよ。
外は陽が落ちてやっと暗くなったころだろうか。時刻はまだ五時過ぎとかそれくらいだと思う。
「はぁぁぁ」
こんな時間からたっぷりと湯を張った湯船に浸かれるなんて。いつもなら開店準備に勤しんでいると言うのに。贅沢なことをしてるなぁ。
ただいつもより早い時間に、湯を張って風呂に入っているだけだというのに。俺も安い男だなぁ、なんて。
本当はスーパー銭湯に行きたかったけど、こう寒いと入っている時は良くても帰ってくる時がしんどい。だから今日はドラッグストアで買った少しお高めの入浴剤を入れて、肩までどっぷり浸かって自宅の風呂を満喫することにした。
独り暮らしだから、勿体ないっちゃ勿体ないけど。まぁ、残り湯は洗濯に使えるし、たまにはいいよね。
「いいねぇ」
男だからってわけじゃないけど、フローラル系よりはウッド系の香りが好きな訳で。だから入浴剤も森林の香り、みたいなやつが好き。檜とかイ草とかも良い。
温かいお湯に好きな香り、身体の力が自然と抜けてしまう。リラックスとはまさにこの事。
「気持ちいいなぁ」
シーツも部屋着も新しいものに変えてあるし、夕食、もとい晩酌の準備も整えてある。
今日のメニューは和食だ。ブリが安かったから大根と煮て、白菜を塩昆布で揉んで漬物にして、ミノの湯引きと贅沢にてっさも。あとだし巻を作ったら完成だ。
あ~、幸せか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます