#22Calling

本当は君にコールしたい。

この悲しみの滓の底の、剥き出しの僕に触れることのできる君に。


本当はもう忘れてしまった。

顔色を窺うのが、すっかり癖になって。

本当の僕なんて、もうどこにもいない。そうしたら、僕は、感情と離別したことになるの? ねぇ?


それでも、君はひとつふたつの壁を壊してくれた。だから、信じているんだ。どんなに経ったって、信じているんだ。


本当は君にコールしたい。

君の声は、いつだって僕を救ってくれたから。君がいれば、声だけで、僕は安らげるのだから。


――だから、お願い。

この言葉に、気づいてくれ。

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