13,おっぱいマッサージ
「ただいま」
「おかえり。ごはんできてるわよ」
きょう、お母さんは休日で、一日中お家から出なかったという。
夕食を摂り、お風呂掃除をしてバスタブに浸かる。我が家のバスタブはゆったり脚を伸ばせるよう片側が傾斜になっていて、背もたれの役目を果たしている。
「ふ~ぅ、落ち着く~」
ここですかさずおっぱいマッサージ。大きくなあれ大きくなあれ……。
占いは最下位だしお母さんに怒られたけど、きょうは良い一日だったな。清川くんがきっかけで作品に新しい方向性や、相乗効果が生まれて質の高いものが創れそうな気がする。それに、同じことで悩める仲間ができたのは、とても心強くうれしいものだ。
気が済むまでおっぱいマッサージをしたら、入浴剤が全身に行き渡るよう手のひらでお湯をすくい、肩や上腕へ撫でるようにかける。
次に、日々の勉強や創作活動で目が疲れているから、首と頭の境界、左右それぞれにある『
仕上げに、神経の消耗で情緒不安定になるとからだの片側に負荷がかかって片脚が痛むときもあるから、ふくらはぎや太ももを念入りにほぐし、血行を良くする。創作活動をするなら覚えておきたい一連の動作だ。もちろん、あらゆる分野で多忙な日々を送るひとにも有効。
さて、そろそろ絵本を描かなくちゃ!
自分の作品を見てくれるひとがいるだけで、心持ちが何倍も強くなる。
洗面所に出て手を拭き。裸のままドライヤーで髪を乾かす。こうすればからだを拭く時間が短縮される。お肌には良くないのかな。
乾燥作業を終えたらパンツとキャミソールを着用してお部屋へ。
「美空! ブラジャーくらい着けなさい! おっぱい垂れるわよ!」
キッチンの前を通り掛かったとき、お母さんに呼び止められた。
「あなたと違って垂れるほどのものがないんです!!」
「あらそう、残念ね。ふふふふふ」
お母さんはDカップ。私はBとCの中間くらい。これはどういうことだ。もしや私は河川敷で拾われた子? あ、そういえば父方の家系は……!
しかし腹立つ。哀れなものを見るオニババのあの目!! ああいうのは一生肩こりに悩まされればいいんだ。それに引き換え私は胸の重みによる肩こりはないし、谷間の通気性はまあまあいいし、なんて機能的なからだだろう。
さて、虚しくなってきたところで作業に取り掛かろう。
机に向かい、新しい自由帳と色鉛筆を出す。
あれ?
なんだかこの机、違和感がある。
なぜだろうと全体を見回したら、その正体気付いた。
え、うそ、うそ!? なんで!? どうして!?
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