第19話 おはなしの在る街

ーー山の間のまた間

 どこまでもつづく まっすぐ道を歩いていくと

 さてさて その木はありました。

 赤い楓の木の根元

 道はそこから生まれているようでした。ーー


 顔の知らない親友が教えてくれた本の一文。本から顔を上げると、親友は窓の向こうを指差した。そこは中庭で、楓の木が立っている。

「そのモデルがあそこなんだって」

 感心した。

 親友の住む街は’彼ら’との共存が上手いらしい。

 いい街だな。



 ここで目が覚めた。

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