第16話 インタビュー
作曲家がテレビでインタビューを受けている。名曲を数多く出している彼は、終始やさしくおだやかに答えていた。
ーーあの名曲が生まれたエピソードも有名ですよね。
「そのようですね。でも作曲家ならよくあることですよ」
ーーそうなんですか?
「ええ。あの曲の時は、5段階の音符たちが来ました。彼らと遊んでいるうちに生まれた曲が、あれなんです」
ーーへえ!
「曲によって来る音符たちは違いますが。5段階もの音符たちが来たのはあの曲だけですね」
忙しかったけれどとても楽しかったんですよ、と作曲家はほほえんだ。
ピアノを弾いているうちにどこからともなく現れる音符たち。
それはピアニストとピアノの周りを舞い、ピアニストに音律をせがみ、甘え、遊び回るという。弾き終わったら風のように消える。
名曲を生む人たちは音符との遊び方を知っている人たちであることは、作曲家の間では有名な話だそうだ。
ここで目が覚めた。
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