第36話 vsジャガーズ【6回裏】ビハインド

 五回はジャガーズ・サンライズとも無得点で攻撃終了。

 六回表はジャガーズの猛攻を受け、3人の走者を背負いながらも『フォーメーション・サジタリウス』で無失点に切り抜けた。

「おいおいどうすんだよ監督!」

 冥子が声を荒らげるのも無理はない。二回のジョー・冥子がヒットを放ってから、実に打者11人を送り込み一本の安打も出ていないのだ。三回以降では出塁したのすら死球のつるちゃんだけ。ジョーと守備位置を交代したさららが本来の女房役となり渚も踏ん張ってはいるが、スコアは依然2-0、2点ビハインド。試合は終盤、六回裏。

「あと2イニングしかねぇんだぞ!? わかってんのかオイ! このままじゃあたしたち負けちまうぞ!」

「大丈夫だ冥子、みんな。まだまだ『未来戦術』は残っている」

 冥子が俺の胸ぐらをつかみ、皆に聞こえないよう口を寄せて凄んだ。

「……さっきのみたいなイカサマじゃねえだろうな」

「……大丈夫だ」

 信じてくれ、と視線だけで冥子に語りかける。

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