陳寔5 約束は約束
待ち合わせは正午、場所は
が、友人氏、正午を回っても来ない。
なので陳寔、一人で出発した。
それから間もなく、
友人氏、ようやく到着。
そこに陳寔の姿はなく、
ただ
当時、七歳。
「父上はいらっしゃるか?」
問う友人氏に、陳紀は答える。
「あなたさまを長らくお待ちでしたが、
いらっしゃらないということで、
すでにお発ちになりました」
は!? 友人氏、怒る。
「なんだと、あの人でなしめ!
一緒にゆこうと約束したのに、
それも守れんのか!」
すると陳紀、すんとして、言う。
「約束は正午でしたよね?
約束も守れぬあなたに、
信義はございません。
また、子に向けて、
その親を侮辱なさる。
これは無礼ではございませんか?」
うっ。
友人氏、恥じて縮こまり上がる。
やがて気を取り直し、陳紀を誘う。
ともに陳寔と約束した先まで出かけよう、
と言うのだ。
だが陳紀、こいつをシカト。
すんとしたまま、家の中に
入っていってしまった。
陳太丘與友期行,期日中。過中不至,太丘舍去,去後乃至。元方時年七歲,門外戲。客問元方:「尊君在不?」答曰:「待君久不至,已去。」友人便怒曰:「非人哉!與人期行,相委而去。」元方曰:「君與家君期日中。日中不至,則是無信;對子罵父,則是無禮。」友人慚,下車引之。元方入門不顧。
陳太丘は友と期し行かんとす。日中を期せるに、中を過ぐるも至らざらば、太丘は舍て去る。去りたる後に乃ち至る。元方は時に年七歲にして、門外にて戲る。客は元方に問うらく:「尊君は在りや不や?」と。答えて曰く:「君を待ちて久しきに至らざらば、已に去りぬ」と。友人は便ち怒りて曰く:「人に非ざる哉! 人と期し行からば、相い委ね去きたるべし!」と。元方は曰く:「君と家君は日中を期したり。日中に至らざるは、則ち是れ信無し。子に對し父を罵りたるは、則ち是れ禮無し」と。友人は慚じ、下車し之を引かんとす。元方は門に入りて顧ず。
(方正1)
こんなエピソードを読んでると、きっと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます