謝尚1 袁宏との出会い
簡文文壇
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謝鯤、蔡謨、袁喬1
オモシロ文人、
デビューの話である。
袁宏さん、若い頃は貧乏だった。
なので取り立てられた租税を
船で運搬する仕事を請け負うなどし、
糊口をしのいでいた。
そこに、一艘の船が通りがかる。
乗っていたのは、謝尚。
風が爽やかで、月の雅やかな夜。
謝尚が甲板に出ると、
夜のその趣をより一層彩るような、
美しい吟詠の声が、
隣の商船から聞こえてくる。
その声は五言詩を詠んでいたが、
教養人である謝尚すら
知らないものであった。
ただし、これだけは言えた。
う つ く し い 。
そこで人をやって、
いったい誰がその美しい詩を
詠んでいたのかを問う。
そうしたら、袁宏は言うのだ。
自分で作った「
つまり、歴史上の出来事に思いを馳せて
編んだ詩である、と。
マジか。なんつー文才だ。
謝尚、すぐに袁宏さんを自分の迎え、
やべぇな、お前おい!
と、べた褒めしたのだそーな。
袁虎少貧,嘗為人傭載運租。謝鎮西經船行,其夜清風朗月,聞江渚閒估客船上有詠詩聲,甚有情致。所誦五言,又其所未嘗聞,歎美不能已。即遣委曲訊問,乃是袁自詠其所作詠史詩。因此相要,大相賞得。
袁虎は少きに貧しく、嘗て人が為に傭われ、租を運載す。謝鎮西の經船し行けるに、其の夜は風清く月朗らかなれば、江渚が閒にて估客の船上にて詩を詠ぜるの聲有るを聞く。甚だ情致有り。五言を誦せる所、又た其は未だ嘗て聞かざる所なれば、歎美して已む能わず。即ち委曲を遣りて訊問せしむらば、乃ち是れ袁の自ら詠ぜるは其の作りし所の詠史詩なり。此に因りて相い要え、大いに相い賞得す。
(文學88)
えっ袁宏のくせにキレイ(ひどい)
謝尚
兗州八伯の一人、
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