阮籍4  母を弔う1   

阮籍げんせきの母が死んだ。


阮籍、葬儀の準備を進める。

するとそこに、

あってはならぬはずのものがある。


蒸し豚。

酒。


親の喪中に摂取してはならぬはずの、

二大巨頭である。


だが阮籍、そんなことも構わず、

むしゃむしゃと貪り食う。

ごぶごぶと飲み干す。


そして、母の出棺の時間になった時、

阮籍、絶叫した。


「おしまいだぁ!」


そして吐血し、ぶっ倒れるのだった。




阮籍當葬母,蒸一肥豚,飲酒二斗,然後臨訣,直言「窮矣」!都得一號,因吐血,廢頓良久。


阮籍の當に母を葬らんとせるに、一なる肥えたる豚を蒸し、酒を飲めること二斗、然る後に訣に臨み、直ちに言えらく「窮まりたり!」と。都ちに一なる號を得、因りて吐血し、廢頓せること良や久し。


(任誕9)




ルールを無視し、けれどもその悲しみを前面に押し出した阮籍のありようは称賛されていたと書かれている。こう言う行動って、現代人からは特に違和感なく受け止められるけど、礼記とか言う呪いが当然のものとして支配的だった時代だって思うとヤバいよねーと思う。

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