華歆3 人を助けること
二人して船に乗り、逃げ出した。
すると船に乗ろうかというところで、
一緒に乗せてほしい、
と願ってくる者がいた。
華歆、その人を載せることに難色を示す。
だが王朗は言う。
「まだ船に余裕はある。
どうして断る理由がある?」
だが、ひとりを載せることで、
船足は確実に遅くなってしまう。
なので、ついには盗賊たちに
追いつかれそうになった。
王朗、慌てて言う。
「やべえ! このまま彼を載せてたら
追いつかれちまう!
彼を下ろすしかねえ!」
華歆、首を振った。
「だから乗せるな、といったのだ。
だが、我々はもう彼を受け入れた。
ならば今更見捨てるなどといった
選択肢はありえんだろう」
その後三人は力を合わせ、
なんとか盗賊から逃げ延びた。
そしてこの出来事から、
人々は華歆と王朗の優劣を
定めるのだった。
華歆、王朗俱乘船避難,有一人欲依附,歆輒難之。朗曰:「幸尚寬,何為不可?」後賊追至,王欲舍所攜人。歆曰:「本所以疑,正為此耳。既已納其自託,寧可以急相棄邪?」遂攜拯如初。世以此定華、王之優劣。
華歆と王朗の俱に船に乘りて難を避れんとせるに、一なる人の依附を欲せる有らば、歆は輒ち之を難ず。朗は曰く:「幸いにも尚お寬あり、何ぞ可せずと為さんか?」と。後に賊の追い至れるに、王は攜いたる所の人を舍てんと欲す。歆は曰く:「本より疑いたる所以は、正に此が為なるのみ。既に已に其を納れ自ら託たば、寧んぞ急なるを以て相い棄つるべけんや?」と。遂には攜いたるを拯せること初の如し。世は此を以て華と王との優劣を定む。
(德行13)
なんか前話に引き続きワンセットっぽく書かれてるが、史書にはこの二人が連れ合うようなシーンはない、と言う。となると張華さんの評が先にあって、そこから連れ合うエピソードが生まれた、という感じだろうか。
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