周顗9  評価する/される

あの周顗しゅうぎさんだから、

人のことをコメントしたり

人からコメントされたりしている。


その辺を少し覗いてみよう。


周顗さん、桓彝かんいに言ったことがある。

「そのごつごつした崖のごとき面持ちは、

 見ていて、ついわらってしまうな」

あるいはこれ、

謝鯤しゃこんのコメントかもしれないとのことだ。


王濛おうもうの父、王訥おうとつについてはこうコメント。

「立派な外見、雅やかなる気概だ。

 その気概を保ちさえいれば、

 何者にだってなれるだろう」


一方で、こんな謗られ方もしている。

「仲間と一緒にいる時の口汚さが異常」。

これに対する周顗さんの返しもすごい。

「俺の器量は長江に比されるべきもの。

 長江の一隅を見て、俺のことを

 理解したつもりになっているわけか?」


また周顗さん、西晋の乱世に対する

処世として飲酒を覚えたわけだが、

東晋の重役になっても飲酒癖は治らず、

ある時には前後不覚に陥ったまま、

三日ほど目を覚まさなかった。

なので人々は、周顗さんのことを

「三日僕射」と呼んでいた。




周伯仁道桓茂倫:「嶔崎歷落可笑人。」或云謝幼輿言。

周伯仁は桓茂倫に道えらく:「嶔崎歷落たれば人をして笑わしむるべし」と。或いは謝幼輿が言と云う。

(容止20)


周侯說王長史父:「形貌既偉,雅懷有概,保而用之,可作諸許物也。」

周侯は王長史が父に說くるに:「形貌は既にして偉、雅なるを懷けるに概を有し、保ちて之を用いたれば、諸もろの許物に作さるるべきなり」と。

(容止21)


有人譏周僕射:「與親友言戲,穢雜無檢節。」周曰:「吾若萬里長江,何能不千里一曲。」

有る人の周僕射を譏れるに:「親しく友と言にて戲るに、穢雜なること檢節無し」と。周は曰く:「吾れ萬里の長江が若し、何ぞ千里が一曲に能わざりしや不や?」と。

(任誕25)


周伯仁風德雅重,深達危亂。過江積年,恆大飲酒。嘗經三日不醒,時人謂之「三日僕射」。

周伯仁は風德雅重、危亂に深きに達す。江を過りて積年、恆に大いに酒を飲む。嘗て三日を經て醒めず、時の人は之を謂えらく「三日僕射」と。

(任誕28)




ほんとこの人の人品どうなってんだよ……w

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