庾亮5 孔子と荘子
庾亮さま、訊ねる。
「孫潜はあざなを何と申すのだ?」
「
「何と
「
うおっそれを庾亮さま、
権勢の申し子みたいな方に言いますか。
なかなかの肝っ玉である。
続いて庾亮さま、孫放に問う。
「孫放はあざなを何と申すのだ?」
「
「何と斉しくなりたい?」
「
この兄弟は……。
なかなかに反骨。
なのでつい、庾亮さまは問うのだ。
「慕うのであれば
そうではなく、何故荘子なのか?」
「聖人は生まれながらにして
知りたるべきを知る、と申します。
私はその境地には
たどり着けそうもございません」
庾亮さま、幼い孫放の口から
飛び出てきたこの答えに、
大喜びするのだった。
孫齊由、齊莊二人小時詣庾公,公問:「齊由何字?」答曰:「字齊由。」公曰:「欲何齊邪?」曰:「齊許由。」「齊莊何字?」答曰:「字齊莊。」公曰:「欲何齊?」曰:「齊莊周。」公曰:「何不慕仲尼而慕莊周?」對曰:「聖人生知,故難企慕。」庾公大喜小兒對。
孫齊由、齊莊の二人は小き時に庾公を詣でる。公は問うらく:「齊由は何ぞの字なりや?」と。答えて曰く:「字は齊由なり」と。公は曰く:「何ぞと齊しからんと欲せんや?」と。曰く:「許由に齊しきたり」と。「齊莊は何ぞの字なりや?」と。答えて曰く:「字は齊莊なり」と。公は曰く:「何をか齊しからんと欲せんや?」と。曰く:「莊周に齊しきたり」と。公は曰く:「何ぞ仲尼を慕わずして莊周を慕いたるや?」と。對えて曰く:「聖人は生まれながらにして知、故より慕いたるを企むは難し」と。庾公は小兒の對うるに大いに喜ぶ。
(言語50)
七歳児にしてこの応答とか確かにヤバいわな。
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