桓温26 王敦、悪くないね

桓温かんおんさま、移動の最中に

王敦おうとんの墓近くを通った。


流れゆく景色として墓を眺めながら、

桓玄さまは呟くのだった。


「まぁ、アイツもそれなりだよな」




桓溫行、經王敦墓邊。過望之云:「可兒、可兒。」


桓溫の行けるに王敦が墓の邊を經る。過ぎりて之を望みて云えらく「可兒なり、可兒なり」と。


(賞譽79)




タイミング次第でいくらでも解釈が変わるエピソードである。一応前後からすれば謝安しゃあんさまの出仕前だから、桓温さまが簒奪に動かざるを得なかったタイミングではない。


それとも世説新語は、「初めから桓温さまは簒奪狙いだった」論者なのかなー。この辺りは変に決め打ちすると火傷するアレですね。

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