司馬懿4 西晋の覇権
時代が下り、
東晋の二代目皇帝、
宰相の
「温嶠、なぜ
明帝からの質問に、温嶠は答えない。
そこに王導がしゃしゃる。
「彼は年若く、
歴史に通じておりません。
そこで彼に替わり、
不肖王導めがお話し致しましょう」
そして王導は滔々と語る。
仲間を次々に引き立てたこと。
それから
皇帝の
「こうして権力を安定させたことが、
天下の安寧に繋がったのです!」
ドヤる王導。
しかし明帝は泣いた。
顔を覆い、床にぶっ倒れる勢いで泣いた。
「王導の言う事が正しければ、
東晋の命数は長からぬではないか!
そもそも王導、この国でいま、
司馬懿レベルの権勢を握っているのが
誰なのか、卿は理解しておるのか!」
王導、溫嶠俱見明帝,帝問溫前世所以得天下之由。溫未答。頃,王曰:「溫嶠年少未諳,臣為陛下陳之。」王迺具敘宣王創業之始,誅夷名族,寵樹同己,及文王之末,高貴鄉公事。明帝聞之,覆面著床曰:「若如公言,祚安得長!」
王導、溫嶠の俱に明帝に見えるに、帝は溫に前の世にて以て天下を得たる所の由を問う。溫は答えず。頃にして、王は曰く:「溫嶠は年少く諳ざれば、臣が之を陛下に陳するを為さん」と。王は迺ち具さに宣王の創業の始め、名族を誅夷し、己と同じうせるの寵を樹つること、及び文王の末、高貴鄉公の事をも叙す。明帝は之を聞き、面を覆いて床に著して曰く:「若し公の言の如るれば、祚は安んぞ長きを得んや!」と。
(尤悔7)
王導
南朝貴族の元祖。先祖を辿ると戦国秦の大将軍
温嶠
西晋末期の名将、
明帝
東晋の二代目皇帝。権勢を広げる琅邪王氏のうち武力を握った王敦の叛乱を食い止めた。早世した名君と言う扱いにはなっているが、エピソードを読んでいる感じだとこの人が長生きしてたら割とヤバい方向に突っ走って行ったような気もする。司馬昭と字がそっくりなのが厄介極まりないですが頑張って見分けてください。
司馬昭
衰運著しい魏の王朝にあって、何とか盛り返そうと頑張った人。けど結局
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