第20話 HNの意味、追加
連載しているエッセイでピクルズジンジャーというHNの理由を簡単に説明しておりますが、捕捉しておきたかったことをふと思い出したのでそれを書き足すだけの近況ノートです。
小説を発表する時の名前を考える際、一番重視していたのが「読みやすいこと」「覚えやすいこと」の二点でした。
というのも、とある大御所少女漫画家さんのペンネームの理由にいたく感銘を受け「自分もペンネームが必要になった時には是非ともこれを参考にしよう」と決意していた為です。
その理由こそが「漫画家の名前は覚えてもらってナンボであるから小学一年生でも読める文字を使った覚えやすい名前にした」といったものでした(※本当はもうちょっと違った文面でした……うろ覚えですみません)。
その漫画家さんとは、一条ゆかりさんです。
ある一定の世代より上で集英社の漫画育ちの女の人ならお馴染みの、華麗な作風で知られる言わずもがなな大先生ですよね。私は「有閑俱楽部」が大好きでした。かなり影響も受けていると思います。
実際、子供心に読みやすく覚えやすいお名前でした。
むかしのりぼんマスコットコミックスの巻末に単行本の既刊案内がついていたものですが、一条先生のものは先頭に配置されていることもあって目を通しているうちに読んでもいない作品タイトルを自然に覚えたものでした。
確かに難しい漢字を使わず小さな子供でも読めるペンネームでありながら、それでいて作風に合致したゴージャスかつラグジュアリー感もあります。
それに加えて、今でも古びてないのがすごい。これ以上ないペンネームであるように思います。
なんの予備知識がない状態でも「一条ゆかり」って聞くと、裕福な家で育ったちょっと気の強そうな女の子をイメージするじゃないですか。少なくとも貧しい家で慎ましく健気に育った女の子のイメージは出てこないじゃないですか。
大体、難しい漢字を一切使わずにゴージャス感のある名前を思いつくっていう、そのセンスがまず常人離れしてるじゃないですか(一条先生は高校生の時にデビューされてる筈だから必然的にそれ以前にこのペンネームを思いつかれたことになる。十代でこのセンス!)。
実際、漫画の方もヒット作や名作を多数発表されていらっしゃるわけですよ。
自分に名作や傑作が生み出せるかどうは分からないけれど、これはもうあやかるしかないと浅はかに考えるのもムリのないことだと思いたい。
……しかしその結果、考えすぎてカタカナオンリーのパッと見なにがなんだかよくわかんない名前に落ち着いたわけですが……。
そんなわけでHNについて語ったエッセイはこちらになります。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884365739/episodes/1177354054884366357
ところで、キャラクターの名前を考える作業も楽しいけれど難しい作業ですね。
作品によってはネーミングにそれぞれ法則や決まりを用いて統一感を持たせることもありますが、基本的に(日本人であるというキャラクターの場合は)「耳で聞いた時にそんなに違和感を覚えない名前」を基準に名前をつけることが多いです。
ただあまり普通すぎると埋もれてしまうので、ちょっとだけ癖をつけたりすることもありますね。
またあえてキラキラネームにすることもあるので、そういう時は名字の方を普通にしたりして微調整をはかっています。
現連載作は(前にも語っておりますが)実はサメがらみの名前がつけられています。
サメにちなんだ名前をつけるという縛りを設けてしまったために、新キャラを出すたびに毎回ネーミングにヒイヒイ言っているのですが、お陰で通常の自分なら思いつかないような名前をキャラクターにつけることが出来たので全くムダではなかったな……と前向きに考えています。
(どこがサメやねん? というネーミングのキャラクターもいますがそのあたりもいつかおいおい説明できれば)
2018年6月3日
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