過疎ゲーにログインしたら超人がいた。

@sann2

第1話 俺


ネトゲ暦何年、なんてあんまり胸張っていえることじゃないけど

それなりに長い俺。

ちょっとネットの世界に逃げがちな、リアルじゃどこにでもいる

平凡をそのまま体現している可愛い彼女なしの独身の俺は20をこえて成人してもゲームに嵌っている。所謂、駄目人間の一人。


就職でも勝ち組になれたわけでもない俺はいたって暇に使える時間が多く。その暇な時間を有効に使おうと昔から時間があればやっていたゲームで埋めていた。


そのゲームは主にネトゲと呼ばれるもので、仕事の合間にやるからそこまでガチ装備でゲームに臨んでいたわけじゃない。

出先では辛うじてGPUを備えたノートパソコンと無線LANで、家ではそれに外付けのGPUと光環境で補うくらいのライトなプレイヤーだ。


そしてライトなゲーム好きの俺としてはミーハーに新しいもの好きで、

一つのものをずっと長くやりこむと言うよりは目新しいのにすぐ飛びつく俄かで、ネットで新しいゲームの開始日をチェックする毎日だった。


あの、「various」と言うゲームもその一つだった。


様々なと言う意味のあるゲームタイトルであるこのゲームはなにか一つ頭抜けたゲームと言うわけじゃない。

よくある西洋風のRPGをベースとしたゲームで今時のVRにも対応しているが世界初のと最新の技術が盛りだくさんというようなゲームでもなかった。運営は小さくも大きくもない海外の中堅クラスで

他にもいくつかのゲームを出していて大ヒットはしないが長く愛される

そんなゲームが多い印象だった。


一日二日、ログインできないからと置いてきぼりになる疎外感が少ない

かといってやりこみができないわけでもない。

少ない遅れは仕事のある大人の必殺技、課金で取り戻せるそんなゲームだった。それも1000円でお釣りがくるぐらいだから財布にもやさしい

やっていて負担に感じることがないからゆるいライトゲーマーにも居心地のいい環境でついこの会社のゲームは他のゲームより少し長く続けてしまう俺のゲームライフに合うゲームが多かったから新作は期待していた。


動作環境も最新を求めてないから今持ってるノートでいける。

事前登録を済ませて、俺はいつも通りそのゲームが始まるのを待った。

それもゲーム開始のかなり前から。

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