プロローグ 世界の始まり(抜粋)

世界は、 剣より 作られた。


何も無い暗黒の空間に、大いなる意思が一つの剣を放り込んだ。


後に「イグラシドル」と呼ばれる樹の聖剣である。


イグラシドルが何も無い暗黒の空間に一振りでいるのを哀れんだ大いなる意思は、イグラシドルに2振りの剣を与えた。


火の聖剣と水の聖剣だ。


悲しい事に、火と水は非常に仲が悪かった。イグラシドルの周りを二つの剣はグルグルと周り、つばぜり合いを起こした。


大きな火花が一つ上がるたび、大いなる意思は仲裁の為、一つ また一つと聖剣を放り込んだ。だが、つばぜり合いは止まらない。誰も、二振りの聖剣をとめることはできない。

ただただ、火と水の喧騒をじっと見つめることしか出来なかった。

二振りの聖剣はイグラシドルを中心に弧を描きながらつばぜり合いを行う。二振りの弧の内側は高熱を孕み、世界の循環の源流「マナ」が誕生した。

幼きマナは二振りの聖剣の剣技に恐れ慄き、イグラシドルに助けを求めた。

大いなる意思はイグラシドルにこう告げた。

「受け入れよ。さすれば開かれん」

大いなる意思の言葉にイグラシドルは素直に頷き、マナを受け入れた。


途端、イグラシドルは暗黒空間に漂っていた12の聖剣を飲み込み一つの世界へと変えた。


これが、天地創造の由来である。



【創剣記 1章】

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