某児童文学賞の予選通過作品という事で、興味を惹かれ読み始めました。
びっくりするぐらい面白かったです。登場人物は多め。だけどそれぞれの個性や役割分担がしっかりしてスッキリとした印象です。それぞれが魅力的で、大人の自分もしっかり感情移入できました。
文体は読み易く、ストーリーラインもスッキリ。途中のグループ交際イベントやハラハラドキドキのクライマックス。伏線の貼り方やミスリードも巧みで、最後までダレることなく読了できました。
恋愛群像劇としても相関関係が絶妙でした。それぞれの恋模様の行方が気になってしょうがない。シリーズ化を激しく希望します。
オシャレ大好きなサナと、サッカー少女のユナ。性格が正反対な二人は、小学生の双子の女の子。
この物語はそんな二人が、ふとしたことから超能力が使えるようになるお話です。
超能力マニアの学級委員や、転校してきたハーフイケメンなど、登場人物がみんな個性的。自分達が用能力者であることを隠しながら、友達とワイワイ騒ぐ姿がとても可愛い。また、サナとユナの性格が正反対なのも良いですね。
真逆の二人で衝突する事もあるけれど、どこか通じ合っている。トラブルに見舞われても二人で協力して立ち向かい、乗り越える姿は爽快感があり、夢中になって読むことが出来ました。
小学生のお話ですけど、大人が読んでも十分面白いです。
登場人物が、皆、個性的で、そこがいい。
サナはどこか自分をよく見せようとしているけれど、微妙にずれているところがいいし、ユナはボーイッシュであることに個性を感じつつも、女の子らしさをかすかに感じさせるところがあって、そのあたりに萌える。
蛍ちゃんは思わず保護者になりかけてしまうほどかわいいし、王子はどこかつかみ所がないように見えて、実はすごいことをやっていて驚いた。うむ、それなら仕方ない。
総一郎は、完璧超人のくせに、どこかピントが外れており、そこが魅力的。そこはかとなくギルバート・プライスの空気を感じる。
多分、子供の頃に読んでいたら、素直にこのメンバーに入って、いっしょに学級新聞を作ったり、遊園地に遊びに行ったりするところを想像できたんじゃないかな。物語を読むだけでなく、その中に入っていけたと思う。
おもしろかった。
あ、私のお気に入りはロベルタさんです。いや、素晴らしい。ぜひとも目面倒を見ていただきたい。