超重い男

第1話

　…おっおっ重いっっ。

　男感のある美青年…とその親がいる室内。そこで川井惣哉は少し前(初デートで親に会わせるなんて…お前どんな神経してんだよっっ)と思いながら心の中で泣き始めた。

　―――男感のある美貌…と中肉中背の体の持ち主。漆器のような瞳と頭髪の持ち主でスーツ姿の惣哉は天涯孤独のスクールカウンセラー。子供や猫好きの好青年でもある惣哉はネコで数日前、出会った男とその親と共に喫茶店内にいる気の毒な男。

　数十分前、惣哉は自分の部屋の中にいた。

　一人分の家財道具がある室内。そこで鼻歌を歌いながら勝負パンツを選んでいる

　惣哉はほどなくして勝負パンツを穿き数日前、出会った男が一番好きだと言っていたスーツ姿になる為スーツに袖を通し始めた。

「…十司よろこぶかな？」恋人の喜ぶ顔を思い浮かべながらその顔を綻ばせた惣哉は数十分後、喫茶店内でその顔をひきつらせた。

「…エ…」

　鼻触りのイイ香りがする客席。そこで恋人に会いその場にいた恋人の両親に紹介され始めた惣哉はほどなくして作り笑いをし始めた。

「…そっそうなんですか…」

　笑顔の十司と不自然な笑顔の惣哉、笑顔の十司の両親が会話をしている。

　惣哉には地獄のようなそこでその顔に笑みを浮かべている超重い男、十司は惣哉の笑顔を見ながら良かった…この子とはゴールインできそうだ…と思った。