なつかしいわらべ歌
外見は防空頭巾をかぶった十歳未満の女の子。
常時にこやかに微笑んでいる。
少女の特技は歌唱。
寂しがっている人のもとにあらわれては幼い歌声で慰める。
会話はとれないが、「ありがとう」という言葉は理解している。
歌を聴いた人がよく「ありがとう」と言うから。
少女の薄汚れたポシェットには駄菓子が入っている。
ただしポシェットにお菓子を入れるのは歌に救われた他人で、そのお菓子を取り出すのは少女が寂しがっている人にあげる時である。
×××の災害は多くの命を奪い、多くの人を暗闇に閉じ込めた。
防空頭巾をかぶった少女が瓦礫の山に向かって歌ってくれたおかげで多くの人達を救うことができた。
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