その目に宿る感情は

 雪ダルマのような形の義眼入れは、生物の目が二つある前提で作られている。


 眼球には感情が宿る。


 それなのに屍は目から先に腐っていく。


 剥製やぬいぐるみに埋め込む予定の眼球をその容器に一晩寝かせておくと、作り物の筈だった器は動き出す。


 また生きている人間の場合、この義眼入れに保管された義眼を使えば人が変わる。

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