願望世界
mt
0章
第1話 始まり
「おら、飯だ。食え。」
いつも見る光景。団欒というものか。
「うえっ、兄貴これ苦手なんだけど」
「ちゃんと食え。」
最も、俺達には親なんていないが。母はある日、謎の大量出血で死亡し、父は突然行方不明になってしまった。親族を失った俺達。女も見つける事すら出来ない程だし。これは俺達の血族、全滅か?
「てかさ、兄貴彼女作らないの?」
今思った事と似たような事言われたし。なんだこいつエスパーか?
「う、うっせえ。俺だっていつかは・・・」
「その『いつか』って明日?それとも来週?」
きえええ・・・なんかイライラする・・・
「・・・散歩してくる。」
「逃げたか。」
おっと、まだ自己紹介がまだだったな。俺の名前はグサナギ。ちなみに成人済みだ。んで、さっきのは弟のヤナタ。
散歩道。イライラしてるときにすると見える景色が違って見える。キエエエエとか叫びたいが流石に迷惑だから止めとこう。ええい、こうなったら酒でも飲んで忘れよう!
「おっちゃん、いつもの!」
「あいよ、どうした、今日は機嫌が悪いみたいだが。」
この人は酒場の店長のシュワイさん。いつも俺の愚痴を聞いてくれる超優しいおっちゃんだ。俺がここの常連になった理由でもある。
「っはーっ!それがよ、ヤナタが早く彼女作れとかいうからさ、ついムキになっちまった。」
「ははっ、そりゃまあヤナタもあれだけどさ、お前もムキになるのはおかしいと思うぜ?」
うーん、た、確かに。
「今日はこれくらいにしとくよ。はい、勘定。」
「おう、またな!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます