mo_modoki

第1話


人魚姫の劇を見た。


6歳の誕生日に、大好きだった叔父さんは人魚姫の絵本をくれた。


潑剌としたエネルギーを全身から滲ませ、ただ、叔父さん自身はそれを持て余してる風でもなく堂々としていて、お父さん(叔父さんにとってはお兄さんだけど)になにか小言を言われても、ひらりひらり、と躱し、いかにも闊達そうに、ハハハハハ、と笑ってみせる。それが叔父さんだった。


親戚一同の厄介者のように扱われていたけど、私にとっての叔父さんは『こうなりたい!大人像』の首位をトップで独走していた。


そんな叔父さんの訃報を聞いたのはつい先日のことだ。






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