泥沼

黒い沼に

足を取られて

前に進めず

後に戻れず

ただ

もがく


もがいて、

もがいて、もがいて

もがいて、もがいて、もがいて

もがいて、もがいて、もがいて、もがいて


足も手も身体も、全て沼に突っ込んだ


助けて

助けないで

助けて

助けないで

許して

許さないで

許して

許さないで


相反する二つの想いが

心の中を蠢く


もう死にたい

まだ生きたい

もう死にたい

まだ生きたい

もう殺して

まだ生かして

もう殺して

まだ生かして


交わらない二つの思いは

心を蝕む


泥は身体を飲み込み

私という輪郭は消え失せてゆく


沼は心を引き込み

私という自我は薄れ消えゆく


優しい外面の白い私も

奥底に蓋していた黒い私も

壁が崩れ

溝が埋まり

一つの私になる


でも、遅かった


泥沼は私を支配する


これで、良かったの……?








…………まだ、生きたいっ‼︎‼︎


覚醒する


善も悪もごちゃ混ぜの

新しい私が

叫ぶ


こんなところで死ぬわけない‼︎‼︎


希望がなくても

絶望が見えても

もがき続ける


腕が千切れても

足が折れても

内臓が飛び散っても


身体ある限り


もがき続けて


私らしくある

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る