Fake and Fake
Chica Sunny
Fake1:告白
「櫻井、あのさ、俺、お前のこと好きなんだけど」
告白された、私が。さっき水谷くんに彼女がいることを知って玉砕したばかりの私が。
「お前が水谷のこと好きなの知ってる、でも」
「…」
「お前が水谷を好きなように、俺もお前が好きなんだ」
何そのクサい告白。やめてよね、鳥肌立つわ。
「…私が水谷くんと付き合えないことをいいことに告白してきたの?」
「いや、そうじゃない。ただお前に気持ちを伝えたかったんだ」
くだらない。
「用事はそれだけ?なら帰るけど─」
腕を掴まれた。
「おい!櫻井!返事聞いてねぇぞ!」
あんたみたいなやつの告白なんて受け入れるわけないでしょ。
「俺じゃだめか?」
ほら。やっぱり水谷くんと付き合えないことをいいことに告白してきてんじゃん。
こんな奴の告白なんて─と思ったとき、ふと思い付いた。
こいつは私の傷を抉って、さらに傷を広げた。
じゃあ私もこいつのこと傷つけてやればおあいこでいいんじゃない?
ここで告白をOKして後からこっぴどく振るんた。
「…分かった、いいよ、付き合ってあげる」
こうして私とこいつは恋人同士(笑)になった。
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