第19話

「うっうっ」

レオンさんが泣いている。

「そんなことねえよ、今こうして記憶を取り戻しただろ。遅えんだよ。」

泣きながら言う。ああ、この二人はこんなに仲がいいんだ。どうすればいいのだろう。僕は体の主導権を返してもらった方が良いのだろうか、それともサムにそのまま主導権を渡したままの方が良いのだろうか。ニーナさんに聞きたい。レオンさんが落ち着いたら、相談しよう。そんな事を思っていた。

「今すぐお前に渡したいものがある、ついて来てくれ。」

サムが頷いた。何だろう、気になる。

「ここ、ここに保管してあるんだ。他の奴らのものも保管してあったけれど全員取りに来た。あとはサム、お前とリディだけだ。」

二人が驚く。

「もしかして戦の時の」

サムが言うとレオンさんが頷いた。

ギィ。重そうなドアが開く。そしてサムに渡したのは、銀の剣と拳銃。そしてリディさんはアサルトライフル。

僕は、"あぁ、戦場の人だ。日常じゃありえない"そう思った。

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