リアル恋愛シュミレーションゲーム

@michaki

プロローグ

「僕に見惚れてる?」


 隣を歩いていた彼は立ち止まり、私の顔を覗き込む。


「え? そ、そんなことないから。」


図星だった。

二重で少しつり上がった目元。スッと通った鼻筋。無造作にセットされた黒髪。月夜に照らされた彼の横顔は神秘的で魅力的だった。こんな人が私の彼氏だったらと妄想を膨らませていたところ、視線に気がつかれてしまった。


「冗談だよ。何回呼んでも、ぼーっとして返事してくれないから。酔いが回ってきた?大丈夫?」


 彼は心配そうに顔を覗き込むと、私の手を取り歩き出した。まるで、恋愛シュミレーションゲームから飛び出してきた王子様のような彼との出会いは、ほんの数時間前のことだった。


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