第2話
「じゃあまたね」帰って行った兄。これで平穏が始まる。うれしい。明日は土曜日だが出勤だ。平日を休日に振り替えることができたのでよかった。
5年目の冬。あと少しで異動がある。私の仕事は多くの人と関わること。毎日人の話を聞き、話をする商売人として働いてきた。とにかく、関わる人がいすぎだ。報告、連絡から雑談まで、話だけで給料の半分をもらってるんじゃないだろうか。残りの半分の給料は、単純作業だ。数数え。つまらない話を聞くのは苦手で、面白い話はいつまでも聞いていたくなる。単純作業は嫌いでは無いが、雑な性格なので、点検や上司に起案すると付箋やコメントが付いたり、注意されることもあった。
協力者は私のことを一方的に笑い者にしてくることは減った。なぜなら私も付箋や注意に対して、説明できるようになってきたからだ。人は、自分について指摘もされる経験を二度積むと、相手に対しての指摘も柔らかになるようだと感じた。やはり対人とは双方向交流なのであって、きつく言われたくなければきつく言わない。優しくされたければ優しくなる。逆に、この人は私に甘え過ぎで、縁を切ることに決めて、強く言った相手がいる。「けいちゃん怒らせるとめちゃくちゃ怖いから」なんてゆう先生は言うけど、そこまで怒らせたあなたが悪いと私は思っている。
ある日、デスクに書類がのっていた。「見てもらえませんか?」と書いてあった。その人は、以前私が書類を代わって作ってあげてしまった神木先生だった。この人はパソコンが下手で、ゆえに仕事が下手。57才で、成長できずに来てしまった役立たずだ。私はペアで仕事を担当していた時、この人とやっていたら私まで巻き添いを食うのはごめんだと思い、私がやってしまった。そうしたらそれに甘えるのが許されると勘違いして、こうしてデスクに置いてきた。私が仕事が山積していて、イライラしていると分からずに。
その時は仕事納め前で「1/26まででいいから」と書いてあった。勝手だな。私はやるなんて一言も言っていないのに。視界に入るのさえ不快で、速攻見て、コメントを書いて相手のデスクに返した。「見ました。参考にしてもらうとしたら、こんな事です」情報を書き加えた。さらに、一方的な仕事振りについてむしゃくしゃした気持ちを伝えたくて、近くの席の下山先生に見せた。「見てくださいよ。最悪です。いま、こんなに私たち忙しいのに。」下山先生は1/26までで、まだあるから、後にやりなよ。人は人がどれくらい仕事が今忙しいか分からないもんだよと、私を慰めた。私はこの神木先生の件で何が嫌だったかというと、一方的な仕事振りだ。勝手に締め切りを付けて、机上に置き、お願いもしない事だ。これは私は上司と後輩に嫌だった事だとして報告しておこう。
この後、さらにあのくそばばあは私のデスクに全く同じ書類を置いてきた。「説明が足りずすみません。赤でもう一度直していただけませんか?」こう来た。甘えはもううんざりだ。怒った私は直接怒りに行った。「今はめちゃくちゃ忙しい時期で、こんなもの見たくない。いま、私のデスクは書類でいっぱいだ。今は無理です。今は無かったことにしてもらってもいいですか。」
「1/26まででいいから」もう私は上司に報告して、この人と縁を切っていいと思う。一方的な仕事振り、かつけい先生にめちゃくちゃ怒られて怖かったなんて言いふらされて、非常に不快極まりない。私にはもう仕事を一緒にやりたがるお客様も5人はついたし、味方も増えた。上司も私がつれなくするとさみしそうにしている。もう、この甘え無能職員とは縁を切った方が新たな縁が見えそうだ。
今年のテーマは整理。
自分で物も、人も、説明しながら整理していく。基本給分の仕事をしない人、一方的な仕事振りをする人とは周りの人に説明してお別れしよう。思えば、みんなそうして手を放している。苦い汁はご自身と管理職にすすってもらおう。それが彼らの仕事なんだから。
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