第5話

「……死んでいるか?」


 荒い男がそういってボクの方を見る。

 ボクは静かに目を開けた。


「……あ……あ……」


 ボクは声を出そうとするがうまく話せない。

 赤ん坊であることを忘れていたのだ。


「ケッケッケッ」


 荒い男が嬉しそうに笑う。


「男なのは残念だが、赤ん坊だからな。

 奴隷としてはそこそこの値段で売れるんじゃないのか?」


 別の男がそういうとボクを布でできた袋の中に入れた。


「そうだな。

 まぁ、夜の肴代にはなるな」


 こうしてボクは、男たちにより奴隷商人へと売られたのだ。

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