第4話

 ボクが次に意識を取り戻したとき。

 ボクは薄暗い部屋にいた。

 そして、何かに押し出されるようにボクは前に出た。

 年老いた女性の声が聞こえる。


「残念ですが……

 この子は咎人のようです」


「そんな……」


 ボクを産んだ母親が涙を流す。


「……どうされますか?」


 年老いた女性が母親に尋ねた。


「顔も見たくないです。

 処分してください」


「わかりました。

 では、こちらで処分しますね」


 年老いた女性がそういうとゆっくりと薄暗い部屋を出た。


「咎人か?」


 年老いた男性が静かに尋ねる。


「はい」


「咎人……業を背負い産まれし異世界の使者。

 腕にあるアザがその証拠じゃのぅ」


「……はい」


「では、行こうか。

 咎流しの川へ……」


 ボクはそのひどい会話に絶望した。

 産まれてすぐに殺される。

 そして、これが自分の人生なのだと悟った。


 冷たい冷たい川に流される。


 苦しい。つらい。


 それが、ボクが最初で最後に感じる苦しみなのだと思った。

 ボクは静かにそのまま沈んだ。

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