築城スキルで異世界征服 {建国の章}

TaM

第1話 建国

「建国なんかするよりも建築業に就いた方がいいんじゃ······」

「いやいや、ぼくが取ったのは築城スキルだし」

「じゃあゲルム帝国の城大工にでもなれば······」

「あんな国やだ、あと説明欄にこのスキルを使用して築城をすると建国が出来るって書いてあったし、どうせだったら建国したいなって」

「むぅ、安定した職を得れる最後のチャンスだよ、ホントにいいんだね?」

「うん」

「わかった、てことは今日からマルムは王様だね」

「まあそうなるのかな、全然実感沸かないけど」

 まあボタン1つで建国したんだし実感が沸くわけないか。


~~~~~~


 この世界には28の国が存在するらしい。

 その国々は小国も大国も含めて全ておれのような築城スキル持ちによってボタン1つで建国された。

 我が国、ムガルチア王国が誕生したためこの世界に存在する国は29ヶ国となる。 

新生国が誕生したのはのは900年ぶりということもあり、国外からの関心はとても高かった。

 悪い意味で。

 この世界の国はほとんどが帝国主義にもとずき植民地を拡大することに力を入れ、それに関連した戦争が現在も起こっている。

 ただでさえ植民地を拡大するのに大量の邪魔因子があるのにそこにまたカスだとしても邪魔因子が増えたのだ。

 まあ嫌われてもしょうがない。

 ただそんな中、ムガルチアの建国を祝福してくれる国もあった。

 [メラフター帝国]だ。

 メラフター帝国は3番目に古い国で伝統と歴史のある国だと聞いている。

 メラフターの国王はこちらが建国の達しを出した僅か9時間後に返事を返し、ムガルチアの関税自主権を認め、メラフターは領事裁判権を持たないとゆう条件での共同平和友好条約の締結を求めてきた。

 メラフターまじ神。

 とゆうわけで一般の人にムガルチアの建国を宣言する建国宣言はメラフターで行う事となった。

 だってムガルチアでやっても誰もいないから意味ないし。


~~~~~~


「え!私もついてっていいの!?」

「いいと思うよ、国外訪問とかは大体お妃様とかつれてくイメージあるし」

 しかも国王1人とか寂しすぎるでしょ。

「いやー、お妃様だなんて照れるなぁーあはは」

「別にマリルを連れてくのはお妃様ってわけじゃなくて協力してくれるってゆうからだからね」

「わかってますぅー!言ってみただけですぅー!」

 そんなむきになんなくても、ツンデレにしかならんぞ。

「ならいいけど、でさ、これ買っといたんだ、着てみてよ」

「切り替えは···え、これあの築城スキルの初期金で買ったの?あれは国の発展のために使うんじゃ······」 

「まあそのもりだったけどせっかくの建国宣言だし、今出来る最大限のおしゃれをしてかないと」

「あ、ありがと······うへ、うへへ」

「どういたしまして、試しに着てみてよ」

「うん!」

 そういって足取り軽く隣の部屋に向かった。

 あのドレスはゲルムにある王室御用達のドレス店で買ってきたのだが選ぶのには非常に苦労した。

 まず第一にマリルのスリーサイズがわからない。

 こればかりはおれが直接聞くこともできないし、だからといって店の人に貧民街に出向いてもらうなんて無理がある。

 そこでおれが全力でマリルを絵で描いてしてそれにあわせて作ることにした。

 まあなんつったって日本にいた頃はイラストレーターやってたし。

 ただ改めて見てみるとマリルは思ったより胸がなかった、イラストレーターの悪い癖だ。

 ちっぱい。

 そうこうしているうちにマリルが着替え終わったようだ。

 執務室のドアがノックされる。

「どーぞー」

 するとゆっくりドアが開き顔を恥じらいに染めたマリルが入ってくる。

 その姿を見たとき、おれはほぉぉぉとゆう反応しかできなかった。

 それは貧民街出身とゆうのが嘘のような華麗さだったからだろうたぶん。

 背中まで伸びた濃紺の髪の上にはティアラが銀色に輝き、幼さの残る整った顔の口元には細やかな薄紅色の口紅がほどこされている。

 肩の開いたドレスは女の子らしくふわふわっとしておりハイヒールとあいまってとても歩きにくそうだ。

 ティアラに真っ白なフリル付きのロングドレス······これって今思ったけどウェディングドレスじゃね?

 まさか買うのミスったか、ヤバいヤバいどうしよう。

 するとマリルがよろけながらも近づいてきた。

「いや、あ、あの、別にウェディングドレスみたいとかそうゆうんじゃあのぉ」

 必死に言い訳を試みるがもう遅い。

 目の前に立ちこちらを少し怒ったような目で見る。

「あの」

「はっ、はい」

「これの着方わかんないんだけど」

 そういって後ろを向いた。

 すると後ろの止め紐が止まっておらず、背中が大きく露になっていた。

「あの、着させてくれない?」

 ウェディングドレスみたいの買ってきちゃって怒られるのかなと思った俺は大きく溜め息をついた。

 すると。

「ちょい無視しないでよ、てか女性の背中見て溜め息ってっ···もう!!」

「ああ!そうゆうんじゃ!!」

「もぉぉぉ!!」


~~~~~~


「ところでさ、メラフターまでどうやっていくの?」

「あ······」

   

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