第2話 心配事とクラスメイト
眠い・・・ただひたすらに眠い。なぜだ?夜中までゲームしてたからか?それとも授業に集中しすぎた?・・・どちらも違う。江本先生だからだ。柳先生だったらもう寝てた。寝てるわけだから眠いなどという感情がそれほど湧きあがらないのだ。つまり、この死にそうな眠気はヤツのせいだ。永眠したらどうしてくれる。
しかし、眠ることはしない。あの顔で怒られてみろ、泣きはしないが涙目確実間違いなし・・・だ。ただでさえクラスで浮いているのにそんなことになったら友達ができる気しない。それはまずい、友達は欲しい。などと自分では大事なのだが、割とどうでもいい心配事をしている中後ろのクラスメイトに背中をつつかれた。
おいおい、話してるのがばれて怒られたらどうする。涙目確実場違いなしだぞ?目の前の奴が涙目で鼻をするんだぞ?いいのか?などど思いつつ、話しかけられることがめったにない僕は少しドキドキしながら背もたれにもたれ話を聞く体制になった。
「きみ、いつも眠そうだよね。家で何してるの?」
え?それ聞く?めっちゃ返しづらいんだけど。ここでゲーム、アニメって言ったらオタクってばれるやん。女の子にばれたら引かれるじゃない?女の子に言っていいのこれ?寝たふりする?寝相のふりまだ間に合う?いや、無理だろ。とにかく何か返さないとコミュ障だと思われる。軽くテンパりつつも返した言葉は。
「え?おれ?いつも寝てるよ?」
何言ってんだ寝てるやつがいま眠そうにしてるわけないだろ!!とすかさず自分に突っ込みを入れたがそれは心の中、声には出さない
「・・・」
この空気・・・・・・・・・・・・・・つらい。
「そうだよね、私も夢で動きすぎて今眠いんだ」
ん?なんか共感されたぞ?疑問に思いつつ聞いてみた。
「どんな夢みてるの?」
聞かないほうがよかったか?話し合わせてくれただけかもしれないし。
「うーん、こことは違う世界の夢かな?」
異世界か?この子ちょっと危ない子なんじゃ・・・。
「きみはどんな夢みてるの?」
まじか、その
「おい!そこのお前!えー・・・武田!!さっきからノートとってねぇよなぁ!やる気あんのか!!」
最悪だ・・・めっちゃ顔真っ赤だし・・・ガチャでいうと確定演出だ・・・確定したのは僕の涙目なんですけど・・・。
「後ろの園崎を見習え!!」
うっそ、さっきまで話してた相手なんですけど・・・そう思いながら少し後ろを振り返ると、何もなかったような顔をしてノートをとっている彼女がいた。
「おい!!聞いてんのか!!」
・・・。
「すみません・・・」
・・・・・・・・・・・。
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