第26話 ミレニアムホース真のアイテム売り場
ナオミは、ゴウとマーティンと三人で、飛翔アイテム、ミレニアムホースについて話した。
「その蹄、売りもんじゃないと言ってなかったか。まさか飛翔アイテムだったとは、看板の馬に羽が生えているわけだ」
「使える奴には、ただでやる。うちの看板だぞ」
「誰も使えないんですか、ここは、魔法特区でしょう」
「風の遺跡が発見されて50年は経つ。どうしてだろうな、さっぱりなんだよ」
アランが横でその話しを聞き、声を掛けた。
アランは、魔力も無いのにクリスタルソードが使える。思い当たるふしがある。
「相性なんじゃあないですか」
「バカ言え、相性でアイテムが使えるなら苦労するか」
「そうだぞアラン。マーティンは、アイテム研究の第一人者だ」
しかし、ナオミが、呟いた。
「私に魔力はないわ、仕様が良くわからないから相性って言っているのではないでしょうか」と、魔力がないアランが光剣を使っているところを思い出した。
マーティンには、ドンと来るものが有り、ナオミを凝視した。わざわざ笑顔を作ってナオミに聞いた。
「うまい事言うじゃないか。ナオミさん、よかったらうちで働かないか」
「おいおい、オレの助手を取るなよ」
「ハハハハハ、冗談だよ」
目が冗談になっていない。
ゴウは、本題に入った。
「それではだ、ノクターンの1stが見たいんだが、あるか」
「ノクターンか、あるぞ1000万ガイだ」
マーティンは、中央のショウケースにある。黒い腕輪を出した。オリジナルと違いメインの石はないが、殆ど同じものに見える。触るとバイオリンのような音がして、相手を眠らせる。
「やっぱり高いな。ケレスを出ると一億ガイだろ」
「うちの国の財産だからな。普通、国の要人が取引したら100億は、下らないんだぞ。格安じゃないか。だが、ここだけの話、ノクターンは、もう3日もすれば、価格割れするぞ、オース元帥が承認して、ケエル総督が発布する」
「本当か、いくらになる」
「そこまで言えるか、3日してまた来るんだな。それに、ノクターン1stは、国外持ち出し禁止指定のアイテムだぞ。それも、たまたま3日後に、許可が下りる。運がいいな」
「知らなかったよ。3日後だな」
「そうだ、あの紅茶も解禁するそうだ。助手さん達は、アイテムを見たいだろうから、ゴウはちょっと飲んで行くか」
「嬉しいね」
「おーいリード。客の相手をしてやってくれ」
店の更に奥からすらっとした感じの青年が出てきた。
「ナオミさん、マークさん、アランさん。息子のリードです。聞きたい事があったら、リードに聞いてくれ」
「リード・イシュマル・シュタットです」
「すまんが久しぶりのゴウだ。ちょっと奥を借りるよ」
「はい、父さん」
マークは、アイテムの事が良くわからない。リードが来てくれたので気兼ねなくアイテムのことを聞くことにした。
「リードさんマークです。今、マーティンさんに、自分は、パワーグラビトンだと、はっきり言われて、凄くうれしいんですが、自分は、どんなアイテムが使えるんですか」
「マークさんは、パワーグラビトンだと父に言われたのですね。父が言うとお墨付きになるようです。そうですね、基本的には、宇宙用品が買える様になります。光燐石などがそうです」
「実は、これから始めるんですが、遺跡探査もやることになりそうなんで、何か役に立つものはないですか?」
「そうですね。遺跡のモンスターを倒せるアイテムをマジックウエポンと言います。普通は、魔法使いか魔女の方しか使えません。試してみますか」
「お願いします」
リードは、三つほどアイテムを出してきた。
「こちらに来てください」
アランもナオミもカウンターに来た。
カウンターに、青いアイソトープとナックル、アーチェリーが、置かれた。
「これは、全て風の遺跡から出たものです。オリジナルの、マジックウエポンですよ」
リードは、一つ一つ説明した。
「アイソトープは、高熱を出します。遺跡のガードナーならこれで充分です」
次にショートブレードを見せた。
「ショートブレードは、振動する手甲です。手のガードにもなります」
そしてリードが使えるアイテムを見せた。
「風のアーチェリーは、飛び道具です。この穴に実弾を装着します。ちょっと見ていてください」
リードは、アーチェリー使いだ。リードが、風のアーチェリーに実弾を装着し、腕にはめるとアーチェリーの上の部分に空気の渦が渦巻くように浮かんだ。それもところどころ青い線の様な光が回っている。
「ここでは、撃てませんが、このマリーンアローを撃つと、マリーン魚雷のように敵を追尾して玉砕してくれます」
アランとマークは、この風のアーチェリーが気に入った。
「試させてもらってもいいですか」
「どうぞ」
マークは、装着自体できなかった。アランは、装着したものの、マリーンアローが浮かばなかった。他のも試したが、二人共無理そうだ。
「オレ、武器なしなのか。他に何かないですか」
アランには、クリスタルソードがある。
「そうですね、ここに来た人には、やはり皆さんに、試していただいているものが有ります」
リードは、中央のにある塔のようなショーケースから、黒い三日月状のアイテムを持ってきた。
「映像アイテムの1stです。中身は空っぽで何も入っていません。使える人がいたら、格安で差し上げていいと、父から言われています」
初めから降参だなとマークは、ナオミを見る。アランもナオミに、期待の目を向けた。
「わたし?」
ナオミが、映像アイテムをつけると、映像アイテムが名前を呼んでくれといってきた気がした。
「そうね、イーミャはどう」
イーミャ
「あなた話せるの?」
しかし返事はない。
「どうされました」
リードが、興味しんしんで聞いてきた。
「このアイテムが名前を付けてほしそうな気がしたから、イーミャって言ったら、反復したんです」
リードは、ナオミから映像アイテムを受け取りメガネのように装着してみた。そこに、ナオミがケレスを理解するに、必死で勉強していた東ヨーロッパ、グルジア語の文字が浮かんでいた。イーミャだ。リードは、慌てて父のマーティンを呼んだ。
「父さん、父さん大変だ」
「なんだー」
「こっちに来てよ、早く」
「お前が騒ぐなんて珍しいな、なんだ」
後ろからゴウもついてきた。
「レプリカの映像アイテムが起動したんだ」
「なんだって!」
マーティンも、映像アイテムを装着した。
「文字が浮かんでるじゃあないか。何語だ、イーミャって読めなくもないが」
「正解だよ父さん。グルジア語だよ。親戚にいるだろ」
「イーミャはロシア姓だろ」
「聖女です。トロイア戦争の引き金になった美女ですよ」
「ナオミさんが記録したのか」
「そうみたいです」
ゴウは、ちょっとまずいな、ナオミ出来過ぎだ。だが、相手はマーティンだ。丸め込もうと思った。
「マーティン、大発見は分かるが、ナオミはオレと行動して成長してるんだ。分かるだろ」
「心配するな。ゴウもすぐには、ここを発てないだろ、ナオミさんを預からせてくれ」
「それは難しいかな、ナオミ達は、ガバン家の居城に泊ってんだ」
「本当か」と、悔しそうな顔をした。
「ナオミさん時間があったら、明日もここに来てくれ」
「なんだよ。それじゃあ、ラブコールだろ」
「なんとでも言え、このアイテムだって、持ち主を20年探したんだぞ」
「どうするナオミ」
「起動できたのなら、ちょっと関わりたいです」
「だろうな。分かった、ナオミの好きにすればいい」
「ありがとうございます。でも、ミーシャさん達と牧場に行く約束もしたんです」
「本当か、オレもつれてけよ」と、ゴウ。
「マーガレット様もご一緒ですよ」
「まじか、すまん、ちょっと考えさせてくれ」
マーティンは、ナオミから目を離さない。牧場までだって、ついて行きそうだ。牧場には、娘のスーがいる。
「分かった、付き合うよ。牧場もOKだ」
ナオミは、マーティンに拉致されそうな勢いだ。マークとアランはナオミをゴウに任せてアイテム探しに戻った
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