心変り

信太

第1話

「 ......うん 」


 嬉しい と 素直にそう思えた。


 __________________


 大学2年生になってすぐ、人生3人目の彼女が出来た。


 志帆しほは1つ年上の3年生だった。初めて出会ったのは大学に入学直後、サークルの新歓コンパの2次会だった。



 彼女は明るい性格で、真面目で頭が良くて、誰に対しても優しく接することができる、そんな人だった。


 身長はあまり大きくなく、自分と頭1つ2つの差がある。肩に掛からないくらいの黒髪で、大きめのイヤリングをよくつけていた。


 大きな犬のぬいぐるみが好きで、傍にぬいぐるみが無いと落ち着いて寝ることができないらしい。



 今考えてみると、一目惚れだったのかもしれない。





 大学は地元から電車で1時間半程の距離にある。両親や高校からの友人とは離れ、大学の寮で1人暮らすことになった。




 初対面の人と話をするのが苦手なことに、大学に入学して初めて気付いた。



 サークルに入ろうとしたのは、何らかのコミュニティに属していた方がこの先利益があるからだろう、と考えたからだ。幸いなことに同学科の人達が多く、サークルに入った後、友人を作るのにあまり苦労しなかった。



 志帆とは新歓コンパの2次会のときに出会ったが、正直なところ何を話したのかをあまり覚えていない。



 ただ、笑顔が印象的な人だと感じていたのは覚えている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る