第11話

「学園の状況は変わらず準備しているようです」

「分かった。指揮官が居なくなったのに続けるのかよ」

「どうする?」


偽羅は蓮花に聞いた

蓮花が仲間になって数日相変わらず監視を続けている。撤退をせずに準備をしている

蓮花は少し考えて答えた


「全員集まって行動を起こそうとしたら少し削れば良いよ。多分それだけで隙が出てくる。それからゆっくりと削れば良いよ」

「それで構わない。お前らはなんか意見あるか?」

「とりあえず全員無いです」


偽羅が聞くとカナンが周りを見てから答えた

全員揃うまで暇だなぁ。何をしていようかなぁ、やる事が無い。外に出てウロつこうかな?


「それなら全員待機して準備を整えておけ」

「そういえば1回目の大会そろそろだね」


摩耶が突然言って来た

そういえば、1回目の大会が近々行われるな

1回目はカナンとユカも不参加になったから順位はほぼ変わらないだろう。1回目の大会の上位はシード権の確保が出来る。まぁ、俺は1人でも多く倒したいから1回目の大会には興味がない。大会では精霊の力とかは使わないけど


「あと2週間ぐらいだった筈、1回目の大会始まるってのに何やってだろう俺たち」

「さぁ、こんな状況で大会が何事もなかったかのように始まるのも凄いよね。果たして1回目はどのペアが勝つんだろうかな?」


蓮花が寝っ転がりながら答えた

大会側ってこの状況を把握してるのかなぁ?それよりも、隠れてた時からずっとこんな状況だったんだ。このまま何も起こらないのかな?他の子達はどうだろう?全員気づいてるけど本人が気づいてないんじゃ駄目か

蓮花は、偽羅を見てニヤッと笑った


「ちなみに全員揃うのは1ヶ月後になったよ。色々とあって延びたようだね」

「暇なんだけど何かない?」

「特に何も無いな。そうだ!偽羅の正体を教えてくれない?」


蓮花が聞いた。偽羅は、特に嫌がらずに答えた。正体を隠して居たと言うより聞かれてないから答えてないって感じだなぁ


「教えてなかったな。俺は、人間だったけど一度死んで精霊になって蘇った」

「精霊ってどんな生き物なの?」

「詳しくは不明だがまぁ、死なない年を取らないなどと色々と特権がある。魔女は魔導でそれが可能だけどな」


偽羅は自分の状況と精霊について説明をした

大体魔女はおかしいんだよ。不死や不老を可能にしたり千里眼で遠くを見たりって人のできる範囲外の物だろうが!


「結果魔女万能」

「成る程、精霊の凄さがよく分からなかった」

「まぁ、人間時代の能力がデメリット無しで使えるようになったから良いけど、そういえば加護もあったな」


偽羅が思い出して言った

加護の存在忘れてた。まぁ、戦闘では出来る限り使わないけど


「加護?どうなものがあるの?」

「血攻の加護、血防の加護、日隠れの加護、無睡の加護、無食の加護」


血攻の加護と血防の加護と日隠れの加護は、どうしても条件を満たした場合は、強制発動だから困る。特に日隠れの加護はどうしようもないからな


「どう言う加護ですか?」

「血攻の加護が血が流れている状態なら敵に血が自動的に攻撃を行う。血防の加護は血を流れている状態なら敵の攻撃を自動的に防ぐ。日隠れの加護は晴れ以外又は室内など日が当たら無いところなら強くなる。無睡の加護は寝る必要が無くなる。無食の加護は水や食べ物を必要としなくなる」


偽羅は加護について説明した。

精霊になった時についてきた奴だが他にもあったっけかな?まぁ、覚えてないんだし要らない加護なのかもな


「かなり便利な加護だね」

「便利な分隠すのがきついんだよなぁ。二つは隠せるけど隠す必要が無いからな」


摩耶が言ったら偽羅がため息をつきながら答えた


「大会では使わずに勝てる?」

「No.1とNo.2のペアに勝てるか分からない。人が限界まで強くなった存在みたいな奴らだからな」


特にヤバいのは、No.2のペアだ。あの2人何故No.2なのか分からない。No.1はそこまで強いのか?マイケルは魔法が身体強化を使用して戦う肉弾戦を得意としている。力技で敵を叩く一方ジャックは相手を翻弄して戦う知恵で敵を倒す。このペアを倒すなんてNo.1はどんな化け物だよ。それとも手を抜いてるのか?No.1は、どんな奴だ?戦いを見た筈なのに姿を確認した筈なのに憶えてない!


「No.1ってどんなペアだっけか?」

「No.1?分からない。あの2人の戦い方を憶えてない」

「それが戦い方なのかもね」

「記憶を消す?違うな、一部の記憶を忘れさせる能力か?」

「その二つのどっちかだと思う。それも魔導だ。忘却の魔法は存在していないから魔導で違いない」

「魔女なのか?」

「どうだろう。でも人間では無いと思う。気をつけて、魔導書を持っていて精霊武具の所有者又は魔聖シリーズの所有者の可能性がある」

「まて、ここに全部あるんじゃないのか!」


偽羅は驚き叫んだ

相手は魔女か又は精霊なのか?


「知る限りはね。ただ忘却の魔導は知ってるけど魔導書を見た事ないんだよ。ここにある精霊武具や魔聖シリーズでもそんな力はない」

「そのペアと戦う場合のみ魔剣と精霊武具と加護の使用を認める。摩耶ちゃんにも精霊武具の使用を認めるよ。偽羅相手のが魔具であった場合は、ラグナークの使用を認める」

「分かった」

「分かったよ」

「その前に、学園の奴どうにかして1回目の大会を見に行かないとね」

「あぁ、摩耶1週間後に叩くぞ。大会前には終わらせたい」

「任せて」


偽羅と摩耶が指示を出して準備を整える

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