「 少年探検団 」

朝倉 ケンイチ

第1話~アジアの涙 怪人百面相の怪~一の巻

.

 

 

 

夜の 帳が 下り

 

 

23時の 鐘の音が 鳴る

 

 

 

 

ビルの 屋上に 影が 現れた

 

 

 

 

 

「 わっははは~ッ 」

 

 

 

 

 

「 出たな 怪人百面相!! 」

 

 

 

 

 

明智大五郎が 叫ぶ

 

 

美術館への 脅迫状に 書かれて いた

 

 

時間通りに 怪人百面相は

 

 

現れた のだ

 

 

 

 

今夜 怪人百面相は

 

 

美術館に 展示してある

 

 

200カラットのダイヤ

 

 

 

 

~ アジアの 涙 ~ を 

 

 

 

 

盗みに 来たのだ

 

 

 

 

夜の 暗闇に 怪人百面相の

 

 

笑い声が 響く

 

 

 

 

 

「 わっははは~ッ 」

 

 

 

 

 

「おのれ 怪人百面相 今日こそ

 

 

 お前を 捕まえて やるぞ!! 」

 

 

 

 

 

この前の 帝国ホテルの 事件でも

 

 

あと 一歩の 所で

 

 

怪人百面相に 逃げられている

 

 

 

 

明智大五郎は 燃えて いた

 

 

 

 

 

「 大林君 少年探検団 集合だ!! 」

 

 

 

 

 

「はい! 明智先生 」

 

 

 

 

 

助手の 大林少年が ポケットから

 

 

笛を 取り出し

 

 

夜空に 向けて 吹き あげた

 

 

 

 

「 ピーっ !!! 」

 

 

 

どこからともなく 少年たちが

 

 

集まって くる

 

 

 

そして 7人の 少年たちが 

 

 

大林少年の 前へと 並んだ

 

 

 

 

 

「 明智先生 少年探検団

 

 

  集合しました!! 」

 

 

 

 

明智大五郎が 短く 頷き

 

 

月夜に 踊る 屋上へと 目を やる

 

 

 

怪人百面相の 影が 揺れ

 

 

笑い声が 響く

 

 

 

 

 

「 わっははは~ッ 」

 

 

 

 

 

明智大五郎が 屋上を 指差し

 

 

叫ぶ

 

 

 

 

 

「 行くぞ 少年探検団!! 」

 

 

 

 

 

「 はいーっ!!! 」

 

 

 

 

 

明智大五郎を 先頭に

 

 

少年探検団は 夜の 美術館へと

 

 

消えて いった・・・

 

 

 

 

 

   ~アジアの涙 怪人百面相の怪~ 一の巻    

  

 

                    つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.







 

 


 

 

 

  

 

 

 


 

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