第179話 15.その後…
「アクセル様、何事ですか?!」
コルネリア王国の王子、アクセル16世には専用のサロンがあった。
掃除係はいつもの通り、朝の掃除に行くと、サロンはいつもと様子が異なっていた。
まずはアクセル王子が疲れ切った様子で、ソファーに居たこと。
一晩ここですごしたのだろうか。珍しい。
「アクセル様、大丈夫ですか?!」
「あ、あぁ、大丈夫だ…。」
疲れ切った様子の王子は立ち上がり、魔術書を一冊大事そうに抱えると、「掃除、頼むよ。」と言って部屋を出て行ってしまった。
お顔はあまり良くは見えなかったが、一晩この部屋で泣いていたようだった。
それからこの散らかり具合…。
普段はアクセル王子がお茶を飲みながら人をもてなすので、あまり汚れておらず、飲んだ後のお茶や菓子の掃除、絨毯の上の掃き掃除など、簡単なものだったが…
今日は、床の上には大量の使用済みのお香が置いてある。
魔術の知識はあまりないが、このお香の配置はまるで、魔法陣のようだと、掃除係は思った。
そしてゴミ箱には魔術書のページを数十枚見つけた。
そのページは他のゴミとは別々にし、ぐしゃぐしゃに丸められたところは伸ばし、きちんとページごとに揃えて封筒に入れた。
掃除係は、掃除を終え、ゴミを捨て終わると、いつもなら王宮を離れ、そのまま家に向かう。
しかしその日は、封筒を大事に抱え、コルネリア王宮の別塔に向かってた。
掃除係はその封筒を、レオンハルト王国から来た要人に手渡したのだった。
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こんにちは。伴瀬です。
お疲れさまでした。ここで6章完結になります。
6章の最初の頃、マルゲリータは人間なので、みなさん人間と思って読んでいるはずです。
でも、若いころはエルフでした。
エルフだってばれないように、一生懸命工夫して書いたつもりです。
私は嘘をつくのが苦手なので、人間と思わせるように、でも嘘にはならないように書くのは結構大変でした。
楽しんで読んでいただけてますでしょうか。
さて、最終話まであと9話です。
5月20日の20時が最終アップになります。
大変恐縮なのですが、ここまで来たら、なんとかあと9話、5月20日まで読んでいただけないでしょうか。
作者の切なるお願いです。
フローマー(ナナちゃん)は、ベルギウスとの一途な恋を貫くのでしょうか、それともハンサムでかっこいいドミニクさんと異世界で暮らしていくことになるのでしょうか。
7章は、呪いの話だけでなく、恋の話もばっちり完結します。
あと9話、楽しんでいただけたら幸いです♪
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