第30話 部署移動 〜信じられない!彼と同じ部署になるなんて!もう運命だよね!〜

 信じられない事が起きた。



 偶然だけど、風祭くんと同じ部署に異動になった。


 会社でも好きな人の側に入れるなんて、運命としか思えない。



 新しい部署の担当課長は村田さん。


 その村田さんの後について、風祭くんのいる開発フロアに連れてこられた。



「あー、忙しいところ申し訳ないんだが、みんな、ちょっと集まってくれ。」



 村田課長さんが課員を集めてくれた。


小鳥遊たかなしさんがうちの課にアシスタントとして来てくれることになった。


 図面の整理、出張調整などの業務は小鳥遊さんにまかせて、みんなは図面を描くことに集中してほしい。


 では小鳥遊さん挨拶をお願いします。」



「えっと、こんにちは。入社2年目の小鳥遊です。


 えっと、同期の風祭さん以外は、皆さん初めましてだと思います。


 えっと、とてもお忙しいと聞いています。


 少しでも皆さんが楽になれるよう、頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。」



 緊張して声が少し震えてしまったけど、笑顔で頑張って挨拶してみた。


 風祭くんも、笑顔で拍手してくれてる。

 良かったみたい。



 私は、鈴木さんという人の隣の席。

 風祭くんは私の後ろの席。


 鈴木さんの机は…上に荷物がいっぱいあって、私の方に雪崩れてこないかちょっと心配…。


 埃も積もっているし、数日前に飲み終わったコーヒーカップがそのままになってるし…。

 

 き、汚い…。

 き、きっとすっごく忙しいんだよね。


 見た目は、10歳くらい年上かな?無精髭も生えてるし、メガネは汚れてるし、ワイシャツには赤ペンの染みができてるし…おじさんってそんなものかな?


 でもとにかく、どんな人とでも新しい部署で仲良くやっていかないといけないよねっ。


 私は、鈴木さんにも、めいっぱいの笑顔で挨拶した。


「鈴木さん!はじめまして。不束者ですが、どうかよろしくお願いします。」

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