第22話 プロポーズ
ベルギウスは、俺にはもうなるべくこの異世界には来てほしくなさそうだった。
俺の健康を心配しているからだ。
でも、ティファニーとこのまま別れるわけにはいかなかった。
ティファニーは数日後、ちゃんとマルゲリータ邸に帰ってきた。
「シルヴィオーーーーー!」
そう言って、走って俺のところに来て抱きついた。
「会いたかったよ。ティファニー。」
「私もよ。」
それからティファニーは荷ほどきをして、少し休憩をした後、俺を散歩に誘った。
ティファニーはこのマルゲリータ邸の後ろにある森を散歩するのが好きだった。
それはエルフが習性なのか、それともティファニーだけなのかは分からなかったが。
今日はティファニーが前を歩き、とある一本の巨木の元へ到着した。
「私、この木が好きなの。大きくてとても立派でしょ。
コルネリアにも立派な木がたくさんあるの。シルヴィオにも見せてあげたい。」
俺は心の中で、木を見せられてもあんまり興味ないし、別に見なくても良いと思ったが、それは心の中にしまっておく事にした。
「そうよ!ねぇ、私の国に来ない?みんなにあなたの事、紹介したいな!」
「エルフの国、コルネリアか。行ってみたいなぁ。」
生い茂る森の中に突然現れる自然の王国と聞いたことがある。
しばらくして、ティファニーは少し真面目な顔で話し始めた。
「私、あなたの事が、とても好き。一緒にずっとそばに居たいって思う。
でも、私、一応王女でしょ?だから、中途半端なのが許されないのよ。
私の父は、あなたがマルゲリータ様でも倒せなかったモンスターを倒したから、とても気に入っているの。だからその…、」
ティファニーは一息飲んで、ゆっくり言った。
「私と結婚しない?」
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