今日から僕は、魔法使いになります!

有栖川 月赫

第1話 【不安】

「瓶野〜!お前遅いから俺先行くからな!」


聞き慣れた、昔からの友人の声。


「分かった〜!先行ってて〜!」


春の柔らかな日差しとともに、

桜が舞い散っている。


今日から始まる学園生活。


未だに自分の魔法が無い状態で…。

それでも、ドキドキワクワクが何故か止まらない。


どんな学園なんだろう?


新しい友達とかできるのかなあ…


というかまず、俺って魔法使えないのにここの入学は許されたんだけど…


中学の時は、なんか皆から軽蔑されてて友達できなかったしなあ…

友達がいたとしても、それは昔からの友人だし…



不安と期待で落ち着かない俺の体は

いつの間にか魔法学校に着いていた。

既に友人もいて、何百人もの生徒が辺りを彷徨いていた。


「ザザッ」


突然、どこからかノイズ音が聞こえてきた。


「これより、魔法テストを実施します」


この声を聞いた瞬間、俺は今まであったドキドキワクワクは一気に消え去り、代わりに不安と焦りと動揺が一気にきたのをよく覚えている。


「…どうしよう。俺、未だに自分の魔法分からねぇし、解放できてねぇんだけど………」

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