神速の狩人のいるギルド
蘇来 斗武
出逢い
第1話 旅立ち、目撃
「ふぁー眠い。さて、旅を始めるとは言っても何処へ行こうか」
森を出たシオンはあくびをしながら呟いた。
行商人から買った地図を片手にあたりを見回すと、広大な野原で一際目を引く大きな樹が立っていた。
「お。あそこにデカイ樹があるな。とりあえずあの樹の上で昼寝でもしてからにするか」そう言って樹の根元まで歩き、普通なら30分以上かけてやっとよじ登れる高さの樹を走ってそのまま駆け上がった。
それから1時間、シオンは太い枝の上で広大な野原を揺らすそよ風に吹かれながら寝ていると樹の下から「やめてください!!」と悲鳴が聞こえた。
寝てはいたものの、周囲への警戒までは解いていなかったため、すぐに目を覚ましたシオンは悲鳴の聞こえた樹の根元に目をやると、そこには2人の男がオレンジ色の髪をした少女を攫っていく光景があった。
シオンはすぐに助けようとしたが、やめた。なぜならその馬車の中には先ほどの3人とは異質なオーラがあったからだ。いや、“それ„から感じるオーラは人間かどうかを判断するのが困難なほど凶悪なものだった。
「先回りして様子を見てから助けるか」
そう言ってシオンは大きな樹から飛び降り、消えた。
もちろん本当に消えた訳ではない。ただ、シオンは誰の目にも留まらない速さで
“移動„していた。
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