十二月五日

 違う。僕は思い出そうとしていないだけなのかもしれない。それは単に思い出そうと思っていないだけかもしれないし、もしかするとほかの理由でそうしているのだろう。とにかく現在の僕は、ひとまずひとりの人間としてなんとかこちらに生きながらえてはいるものの、どうも実感というものが足りていないような気がしてならない。お話を考えてはいまいち納得のいかない感覚を、ずっと覚えている。インプットか、あるいはアウトプットか。随時想像しては、やはりまだこの頭は、ではなくすでに、僕という存在の確定が始まっていて、変えられないところまで、来ている可能性だってありうるわけだ。もしそうなっているとするのならば、そうであることを素直に受け入れ、その中でなんとか進むべき道を模索していくことのほうがあっているのかもしれない。誰かの協力も必要だろうか。そのことはなにとなしにわかっている。現にそうなりかけている。あとは導きにしたがって、おのれの足を、ただ愚直に、進めるのみなのだろう。未来よ、そこにいて待て。きっと追いついてやる。以上、悪文。

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