平成三十年三月十日

 やあ、待たせたな。帰ってきたぜ、あいかわらず何も持っていないままで、な。/平成三十年三月十日、あしたのことはそう、きっと誰かが語るんじゃないかな。僕のしごとではない気がしてる。/とはいっても、何も云わないのもおかしいというか、何かしらのことばがけっているんじゃないかな、とか思ったりはする。いなくなった人たちのこととか、変わってしまった諸々とか、そういう類のおはなしね。こうやって濁しながらじゃないと、なかなか書けないような。そんな日が、すぐ目の前に。/僕は比較的げんきにやってるよ。あさってのことばっかり考えてるけどね。きょうはこのくらいでいいかい? ちょっとここからは、また所感ってけっきょく何のためにするんだっけ、みたいなこと考えつつ、再びぼつぼつとやるかもしれないからね。もし忘れてたら、そっと教えて――世界のすべてを知るあなたに、僕はこう言いたい。/終

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