その手は憎悪に塗れて 陸


獣人1「はぁ、はぁはぁ…くそ!なんなんだよあいつ!はぁはぁ。」

妖山をひたすらに走り続ける獣人

半分かけた月が頭の上にある頃

息を切らして何かから逃げるように走る

獣人1「ただ少し、山のヤツらとかからかっただけじゃねえか!!クソッタレ!」


山から逃げるひたすら逃げるしかし

それを追っている黒い影はみるみる空から近づいてくる

獣人「あと少しで、森を抜け…」

???「森を抜けたら?何があるんです?」

月の光が大きな黒い翼で遮られる所々には赤色が混じっているように見えた

黒い着物に銀髪のストレート、赤い目を鋭く光らせ獣人を見下げる

獣人1「な、、なんで。」

???「なんで?愚問です。」腰に構えた脇差しに手を掛ける

???「私の陣地で悪行をして生きて帰れると思う貴方には天罰を…。」

月の光が再び姿を現す頃には獣人は深い深い眠りへ

黒い翼の後ろからひょっこりと緋紅と夜緋が顔を出した

緋紅「あひゃ~またやってるよ少しは感情抑えるとかしたらどうかな?」

夜緋「…普段、この人抑えてる方だと思うしむしろ緋紅見習ったら?」

黙り込む緋紅、返す言葉がないようである

???「2人は随分お暇そうですね?」

緋紅「こう見えて忙しいんだよ。面白そうだから見てただけ。」

夜緋「俺は付いてきただけだでは、失礼する。それの処理はちゃんとしてくれ。」

???「言われなくとも私は後片付けはちゃんと致しますとも。」

その翌日に獣人は街へ帰って来ることは無かった


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公里「ところでザキさん聞いたかい?また街の奴が消えたらしいで。」

団子を食べながら公里はザキさんへと話す

ザキさん「あ~そういえばそんな噂聞いたような聞いてないような、興味ないような…。」タバコの煙をフーッと吹いてまた咥える

公里「…絶対興味ないやろその反応わ!」

蒼「食べる事かタバコの事しか頭にないザキさんにその話はねぇ~。」

ヤレヤレと蒼がため息をつく

ザキさん「まてまて~い、僕がいつそんな事言ったんだい?ねぇ蒼?」

蒼「顔に大きく書いてありますよ、こ、こ、に!」そういいながら

蒼はザキさんの鼻をムニッと押した

その押された反動で丸眼鏡がズレ落ちそうになる

ザキさん「やめてください。ごめんなさいじゃないと眼鏡が落ちてしまいます。」

公里「仲ええなぁお2人さんはよ~。」

公里は足をバタバタしながら笑っている

ザキさん「そう言う公里も助けてくれてもいいんじゃないかな?見てるだけじゃなくて!」

公里「遠慮しとくわ!蒼もっとやったり!」

蒼「まっかせて!」

ザキさん「え、待ってちょっと!鼻じゃないじゃん!?お腹じゃんあ、あぁあああぁあ!!」


今日も平和という膜に覆われた街は

賑やかである



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