今もコスモスがさいている!

メキシコ、というとコスモス。


名前は、ギリシャ語の「コスモス(秩序・調和・美しい)」から由来しており、

原産地はメキシコで、日本には明治時代に渡来したと言われています。

ちなみにコスモスとは、英語では「宇宙」を意味する場合もあります。

 わたしが高校生の頃には、アメリカの物理学者、カール・セーガンが主演していた、

「コスモス」(宇宙)

という番組が放送されていました。

 そのなかで、アインシュタインの相対性理論の説明があって、

 わかったような、わからないような、ふしぎな気持ちになりました。


 時間は、重力と関係があって、ブラックホールはどんなものでも吸い込んでしまって……。

 遠い宇宙のふしぎと、いま、この瞬間にも宇宙が膨らんでいるということへの驚き。

 コスモスを見ていると、そんなことを思い出します。


 2018/11/27、NASAの探査機が、火星に到着したそうです。

 赤い砂漠に、ところどころ石が転がっている画像を、ニュースで見ました。

 火星もまた、宇宙の一つの惑星。

 膨張していく宇宙ののなかで、いつものように周回しています。

 地球もまた、巨大な宇宙のなかでは、平凡な惑星のひとつに過ぎない。

 そんな地球の、小さな島国の、そのまた小さな一地方で、

 コスモスが咲いています。


 日本では、秋の花の代表です。

 山口百恵が、結婚していく女性の心情を、この花に託して歌った歌があります。

 俳句でも、コスモスを題材にした句がいろいろあります。

 そのうちの一つが、こちら。


ひとりでに家壊れつつあきざくら 坂戸淳夫

 

 コスモスの生えている土手を進んでいくと、壊れつつあるアパートもあります。

 ひとりでに壊れているわけじゃないようですが、

 荒涼とした風景が広がっていて、そこだけ空気がよどんでいます。

 枯れたつたが絡まり、いまにも倒れそうなアパート。

 まえには勝利の女神、ニケ像もあって、それなりに潤いがありましたが、

 撤去されてしまいました。

 だれも住んでいないのでしょうか。

 幽霊アパートなのでしょうか。

 大きな宇宙から見たら、ちいさな家がひとつこわれたくらい、どうってことないのだな、というふうに解釈できる句かもしれません。


 コスモスは、何も知らずにただ可憐に咲いています。

 秩序や調和、美を象徴するコスモス。

 育てているのは、高校生のみなさん、だそうです。

 薄桃色で、花弁がはっきりしていて、匂いがあまりないコスモス。

 花言葉が「美しさ」なのは、可憐でありながら、こんなにハッキリと自己主張しているからでしょう。

ヤマトナデシコと、ちょっと似てるかも。


 コスモスの花が枯れる頃には、年が明けます。

 来年もまた、コスモスの花を見れるでしょうか。

 鬼が笑うかもしれませんね! クワバラクワバラ……。

 

 



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