永遠のジャック&ベティ
清水義範の『永遠のジャック&ベティ』が傑作!
中高年、いや高老年が、中学時代に使った英語の教科書は、
“ジャック&ベティ”だったのです。昭和29~36年頃に使われたものです。
ジャックとベティのふたりの会話を通して、
日本人が英語を学ぶという教科書。
清水義範がその教科書を、30年後の1991年にパクったのが『永遠のジャック&ベティ』。
一部が、こんな感じ。
(引用はじめ)
「あなたは元気ですか」
「はい、元気です。あなたは元気ですか」
「はい。私も元気です。あなたは子供を持っていますか」
「はい。私は一人の息子を持っています。彼はハイスクールの生徒です」
「あなたは彼と暮していますか」
「いいえ。彼は私の母と暮しています。あなたは私の母を覚えていますか」
「はい、私は覚えています。十二歳の時、あなたに紹介してもらいました」
「彼女もまた、あなたのことを覚えています」
「彼女は元気ですか」
「はい、元気です」
「あなたのお父さんは元気ですか」
「いいえ、彼は死にました」
「オー、悲しいことです」
「経営していた店がマクドナルドの進出によってつぶれた時、彼はやけになって飲酒運転
をして、運河に落ちて死にました」
三十数年ぶりに再会すれば、人の運命にはいろいろなことがあるわけだ、とジャックは
思った。しかし、この言葉遣いはなんとかならないものだろうか。
「あなたの息子は野球をしますか」
「いいえ、彼は野球をしません」
「彼はフットボールをしますか」 ’
「いいえ、彼はしません」
「彼はピアノをひきますか」
「いいえ、ひきません」
「彼は何をしますか」
「彼は時々麻薬と強姦をします」
気まずい沈黙が流れた。
しばらくして、ペティのほうが質問をした。
「あなたは結婚していますか」
「かつては私は結婚していました。しかし、今は独身です」
「あなたは離婚しましたか」
「はい、私は離婚しました。人工授精をして代理母に産んでもらった子供を裁判で取りあげられて以来、私たちはうまくいかなくなりました」
(引用終わり)
シュールでブラックなコメディです。
ラストがまた、シュール。
よくぞまあ、こんなことを思いつくもんだね。
わたしも負けてはいられん。がんばろう。
『夢の国を行く帆船』 https://novel.daysneo.com/mypage/work_text_chapter.html?work_code=86271aa5d04cf2b221bc99669eba376c
連載中! キリスト教的とは言えないライノベファンタジー作品。たぶん、落選すると思われます。
気軽に読んでね。
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