西澤保彦 『解体諸因』 読了

西澤保彦さんの 『解体諸因』 読了しました

2018/04/10、2週間かかって 『解体諸因』 読了しました。

短編集なんですが、それぞれ独立しているのに、お互いが絡み合っていて、

一度解決したはずの事件があとになっても片付いてない、というストーリー仕立て。

びっくりしました。こういう話の組み立てってアリなんだ!

推理小説って、なかなか面白い。


グロい死体の話

バラバラ死体が中心なので、グロい死体の話が出てきます。吐き気が出てきます。バラバラ死体には免疫がない(汗)

指が細かく切断されてたり、首が切断されてたりしますが、ちゃんと一つ一つにそうしなければならない理由がある。

よくそんな理由を思いつけますねえ。

古いデータもありまして、ビデオデッキに VHS や β と言われても、なんのことか判らない人が若い人には出てくるかも。

時代が判ります。

ちゃんと理由があって結論があるところが好感です。

どこかのライノベみたいに、殺人ばかり立て続けにいろいろあるのは、無意味な殺人で反発を感じます。


血とぬいぐるみ

わたしの一番のお気に入りは、ぬいぐるみの熊の腕が切られた話。

おねーちゃんのハンカチが行方不明になってしまったのと絡んできて、意外なオチになっている。

でも、しょせん男の視点なので、オチについてはツッコミどころ満載。


 あとは……

 脚本になっている『スライド殺人事件』が読みにくかった。本で脚本を読むのが三〇年ぶりぐらいだったんです。とはいえ、警部や刑事部長など、登場人物が個性的だったのが面白かったです。

 一気に読めばもっとわかりやすかったんでしょうが、義母が風邪でダウンしたので看病したため、途中で本を休んだりしました。なので、ストーリー展開が頭に入らなかったのです。困ったもんだ。


 真に受けちゃダメ

 推理小説って、ストーリー展開を追いかけるだけじゃなくて、作者と知恵比べをするぐらいじゃないとダメなんでしょうね。

 わたしは、前半を真に受けて「人間って怖いねー」ぐらいにしか思ってなかったのです。ところが、後半になるにつけ、複雑な謎に混乱し、迷い、騙されてがっくり。

 推理小説って謎を楽しむのね。


 新本格派

 わたしは推理小説は初心者で、新本格派と言われてもなんのことかわかりません。綾辻行人の小説も、多少は読みましたが、彼は新本格派なのかしら? 

 もっと柔らかいのから始めるべきだったかもしれません。わたしには新本格派はハードルが高そうです。


 赤川次郎と推理小説

 赤川次郎の推理小説は、推理じゃないよという人もいますが、義母は大ファンなんですよね。家事の合間にサクサク読めると言ってワクワクしつつ読んでます。

 もちろん、赤川次郎のだったらなんでもいい、というわけではなく、エッセイやショートショートは「つまんないのが多いね」という評価。だれでも得手不得手ってありますね。


 短距離選手と長距離選手

 最近の傾向で、短い小説やショートショートはお金にならないようです。短距離を走る短編作家より、長距離選手の長編作家のほうが儲かるとのこと。

 そのわりには、あの阿刀田高はこの40年間、仕事がバッチリあるようですね。実績があると違うのかもしれません。

 西澤保彦さんの『解体諸因』は、新しいタイプの短編小説。関係ない話も入ってるけど、全体的に話の組み立てが面白かったです。

 わたしがどこまでできるかわからないので、まずは短編小説をやってみようと、毎日ネタを探していますが、簡単には完成させることができないのでした。

 文章講座が有効だといいんですがねえ。


 せめて短編小説ぐらい書けるようになりたいです。

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